「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」感想。


(公式HPより引用)

[story]
京都の美大に通う高寿(福士蒼汰)は、通学中の電車内で見かけた女性、愛美(小松菜奈)に一目惚れをする。勇気を出して声をかけ、「また会える?」と聞いたところ、彼女はなぜか涙を流す。それでも親友の上山(東出昌大)の後押しもありデートにこぎつけた高寿は、順調に愛美との距離を縮めていく。そんなある日、愛美は高寿にこう告げる。「わたし、あなたに隠していることがある・・・。」

七月隆文の同名小説の映画化。監督は「陽だまりの彼女」「青空エール」の三木孝浩。

パット見では、イケメンと美人の肩トンアゴクイ壁ドン系のよく量産型恋愛モノという印象がある本作で、たしかに全般的にはそのイメージを裏切らないです。
福士蒼汰扮する高寿が一目惚れしていきなり声かけたり、トントン拍子に付き合うことになったりするのも「どうせイケメンだからだろ!」と僻みまくること請け合いです。
一般男子なら勇気を振り絞って声をかけたところで邪険に扱われるか、無視されるかといったところが関の山でしょう。
まあ、私がやったら事案になりそうなので、やりませんけどね。

と、このように、ひがみやっかみが出てくる人はぜひ前の記事を御覧くださいね。

閑話休題、本作では、主人公の高寿がひじょーに奥手な青年として描かれていて、福士蒼汰は確かにイケメンなんだけどそのモテ空気を序盤はうまく封じ込めているのと、対する小松菜奈扮する愛美も優しく高寿を受け入れるという感じになっているので、見ていて非常に微笑ましいんですね。
ジェイコブとクイニーほどじゃないけどな!

とまあ、本作はこの2人のナイスカップルを東出昌大扮する親友の上山よろしくニヤニヤ見守る・・・というところだけには終わっていません。
これはstoryの最後にも書きましたし、トレイラーでも流れいてましたが、2人が付き合って何日かたったころに愛美が高寿にする独白によって物語が大きく違って見えるのです。

これは思いっきりネタバレになりますが、愛美の時間の流れは他の人とは逆行しているのです。そして愛美と高寿が会えるのが5年に1度の周期であるということも告げられます。

ちょっとわかりづらいかもしれないのですが、高寿が5歳のときは愛美が35歳です。このときに池で溺れた高寿を愛美が助けてくれたというエピソードがあります。
次に会えたのが高寿が10歳、愛美が30歳のときで、たこ焼きを食べたエピソードがあり、このときに愛美が高寿にキーとなる小箱を渡しています。
高寿が15歳、愛美が25歳のときのエピソードはなかったと思いますが、映画で描かれているのが2人とも20歳のときになります。

一気にファンタジーめいた設定ですが、とにかく2人が20歳で共有できる時間は30日間しかないということが分かります。
運命の人と信じて疑わなかった愛美とは決して結ばれないということが高寿には分かってしまうのです。
その後の高寿は、愛美はどうなるのかはぜひ本作をご覧になって確かめてほしいと思います。

本作はタイトルやトレイラー、キャッチコピーなどでこの時間軸の交絡をネタバレしてしまっているんですね。
にも関わらず、本作の魅力が何ら損なわれないというところがすごいと思いました。

また作品の時間の流れに沿って2人の装いが変わっていくのも注目です。
高寿は、愛美と出会った頃は残念なイケメンというかちょっともっさい雰囲気の格好だったのですが、愛美と付き合うことでどんどん洗練されていくのが分かります。対する愛美は高寿と出会ったときは真っ白なコートを着ているのですが、だんだん色の濃い服になっていきます。しかし愛美の時間軸は逆行しているので、だんだんに色彩のない服装になっていったことになり、これが時間の逆行のメタファーにもなっているのです。

と深読みしなくとも、2人が京都の街でデートする姿はその舞台もあいまって非常に映えます。観光地らしいところは伏見稲荷ぐらいですがそれ以外の町家カフェだとか京都の日常的な風景はそれだけでも見る価値ありといったところです。

最後に、本作がもっとも印象的だったのは、点にこだわった映画であるというところ。
「イニシエーション・ラブ」のオチなんかもそうですが、ある1点での衝撃を描きたいがために存在しているというか、そんな作りになっている気がしました。
「4分間のピアニスト」という映画でも映画の大半は天才的な才能がありながら問題の子どもとそれにピアノを教える教師との拷問に近いぐらいのやりとりが続くのですが、この作品でもまた極上の"4分間"を味わうことができました。

本作でも、全てを理解して、高寿と愛美の30日間を追いかけて初めて、高寿と愛美の出会いのシーンに気がつくのです(本編でももう一回流してくれるので見逃しても大丈夫です)。
全く同じシーンでもまるで別の見え方になってくるのが印象的でした。

このようによくある恋愛モノとは一線を画す作品として見応え十分でした!
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「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」から考えるジェイコブの魅力



本作を見た人なら誰でもジェイコブの魅力に取り憑かれていることでしょう。
そりゃもちろんエディ・レッドメイン扮するニュートもいいんですよ。
イケメンの上にドジっ子属性も持っているなんて最強ですからね。
どうしてこれが最強となるのかについては、以前こちらの記事で書いていますので、興味がある方はぜひ御覧ください。

今回の主役はジェイコブです!

ジェイコブの本作における良いところとはなんでしょう?いくつかピックアップしてみましょう。

・ニュートのうっかりで巻き込まれたのに、怒らないどころか魔法動物集めに協力している。
・ココアを入れてもてなしてくれたクイニーに対してぞんざいな態度をとったニュートをたしなめる。
・ニュートに適当にヘルメットだけ渡されて危険な状況の説明もないのに怒らない。
・魔法動物たちの面倒をよく見る。
・最後に(自分だけ人間なので)魔法使いとのやりとりの記憶を消されなければならないときに、クイニーたちを困らせない。

ここにいくつかピックアップしてみましたが、これらが示しているのは、

ジェイコブは優しい!

ということですね。

・・・

それだけかよ!と突っ込まれそうなので、もう少し書くと、ジェイコブにとって関係ないことやどうでもいいことにも関わらず、不平不満を言うでもなく、それどころか積極的に手伝ってくれるんですね。
つまりは利他的な行動をとっているということなんですが、これがなんで魅力につながるのか?

Farrelly, Clemson & Guthrie(2016)では、202名の女性に、男性の写真とその男性がした行動を記述したものを見せました。男性の写真として、見た目の良いハンサムなものと、そうではないものの2種類あり、このときの行動の種類として、「川で溺れている子どもを助けた。」とか「ホームレスにサンドイッチと紅茶を買ってあげた。」といった利他的な行動をしたものと、そうではない利己的な行動をしたもののどちらかでした。
その後に魅力評価をさせたところ、重要視されたのは見た目の良さよりも行動が利他的かどうかの方でした。
でも、※ただしイケメンに限るなんでしょ?と思うでしょう?

確かに短期的な関係であればそうなのですが、長期的な関係、つまりは結婚したり人生の伴侶としてのパートナーを選んだりするという条件で最も評価されたのは、見た目がそれほど良くなく、かつ利他的な行動をしている人物のプロフィールでした。

このあたりには浮気しなさそうとか一途そうとかそういう含意が含まれているのはあるでしょうが、ともあれ、利他的な行動がまっとうに評価されることには変わりはないのです!

ジェイコブは、バーで会話をしているときには「自分みたいなやつはなかなかいないよ!」と言っていたのに、最後に記憶を消されて魔法使いたちと離れ離れになってしまうときに、悲しむクイニーに言うのです。
「いや、僕みたいなやつはどこにでもいるよ。」(だから悲しくなんかないんだよ)と。

ジェイコブ、惚れてまうやろ~!!!

こんなセリフが言えるのも、ジェイコブが自分の利益ではなく相手の、ここではクイニーのことを思っているからこそです。

そんなジェイコブの魅力を見逃してしまったあなた、4月にはDVDリリース予定なのでぜひそちらでご鑑賞ください。

サンキュー、ジェイコブ!フォーエバー、ジェイコブ!

[引用]
Farrelly, D., Clemson, P., & Guthrie, M.(2016). Are Women’s Mate Preferences for Altruism Also Influenced by Physical Attractiveness? Evolutionary Psychology, 14, 1-6.

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」感想。


(公式HPより引用)

[story]
魔法使いのニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は魔法動物学者として、世界中を巡っては自分の不思議なトランクに珍しい魔法動物を集めていた。ニューヨークにやって来た彼は、ふとしたことから人間のトランクと取り違えてしまったことで、不思議なトランクの中から魔法動物が飛び出してしまう。ニュートは他の魔法使いのティナ(キャサリン・ウォーターストン)やクイニー(アリソン・スドル)、人間のジェイコブ(ダン・フォグラー)と協力して魔法動物を追っていくのだが・・・。

「ハリー・ポッター」シリーズのJ・K・ローリングが、ハリーたちが使っていた魔法の教科書、「幻の動物とその生息地」を書いた魔法使い、ニュート・スキャマンダーを主人公に据えた新シリーズを、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」以降メガフォンをとっているデヴィッド・イェーツ監督により映画化。

「ハリー・ポッター」シリーズが完結したことでスピンオフ、というよりは原点回帰に近いような世界観で描かれているのが本作です。
「ハリー・ポッター」の世界で用いられていた教科書の作者ということで、時間軸的にも過去になっています。
舞台は1920年代のニューヨークで、当時の雰囲気もさることながら、まだ人間と魔法使いの住み分けも十分でないというのも本作のキモでしょうか。

そんな中、ニュートのうっかりミスで魔法動物たちが逃げ出してしまうので、それを捕まえる珍道中がメインとして描かれています。
ニュート役のエディ・レッドメインは、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、その後も「リリーのすべて」では初めて性転換手術を受けた人という難役に挑戦したりと、そのイケメンぶりだけでなく演技力の幅も見せつけてくれていますが、本作ではさらにドジっ子属性も身につけているとなればまさに向かうところ敵なしでしょう!

が、しかし!
本作の魅力はそこではありません。

本作の魅力はまずなんといっても魔法動物たち。
不思議なトランクから飛び出した魔法動物たちは小さいものから大きいもの、おとなしいものから獰猛なものまで多種多様なのですが、その中でも特筆すべき存在は、ニフラー。
見た目は小さめのカモノハシといったところなのですが、キラキラ光るものが好きという特性があって、悪気はないけど宝石とかを拝借しちゃうんですね。
ニュートに見つかってとっさにごまかそうとオブジェみたいに固まってみたりとやることなすこと愛嬌たっぷりです。

それからボウトラックル。
こちらは小さな木の苗のような風貌ですが、活躍度で行くと魔法動物たちの中では一番かもしれません。

他のやつはわりと獰猛系のものが多いのですが、公式HPでも特集が見られますので、ぜひそちらを御覧ください。

そーしーてー!
本作一番の愛されキャラは、何と言っても!
ジェイコブです!
ニュートのうっかりによってトランクを取り違えてしまったことで、魔法動物たちの捕獲に巻き込まれる形で協力してくれる人間です。
見た目はコロッコロのおっさんなんですけどね。
彼は人間なので最初は魔法動物や魔法使いたちに驚かされっぱなしですが、気がついたらしっかりと順応していくばかりか、後半には喜々として魔法動物たちにエサあげたりしています。
逃げ出した魔法動物にデミガイズという猿っぽいのがいるんですが、こいつは臆病で怖がると透明になってしまうため捕まえるのが難しいのですが、なんか気がついたらジェイコブが抱いてた!
あっさり捕まってた!っていうシーンもあります。

ジェイコブは移民としてアメリカにやってきてパン屋を開きたいという夢を持ちながらも缶詰工場で日銭を稼ぐ暮らしをしていて、ニュートと出会った日も銀行に融資をお願いしているところでした。
当時のアメリカは好景気で多くの移民がやってきたことで移民に対する規制や法律が厳しくなりだす頃で、まさに移民のジェイコブとしても激動の波にさらされている時と言っても良いでしょう。
気がついたら魔法使いのクイニーといい感じになってるのもなんとも微笑ましいです。

魔法動物の騒動、そしてこれまで一切書いてこなかったけど、コリン・ファレル扮するグレイブスが中心となって魔法の力を利用した事件もあって、大混乱になったニューヨークの街を沈めるために、人間の記憶を消す必要が出てきます。
そうなるとジェイコブの記憶も消すことになるわけで、さてどうなるのか?

この続きはぜひ本作をご鑑賞の上、確かめてもらいたいと思います。
「ハリー・ポッター」シリーズも後半に行くに従ってダークな雰囲気が前面に出てきすぎた印象があったのですが、本作は原点回帰と言わんばかりにファンタジーの要素がかなり多く詰まっています。
それでいて「ハリー・ポッター」シリーズらしさもしっかりと持っているのは監督の力に加えて、原作のJ・K・ローリングが脚本に加わっているということも大きいのではないでしょうか。

当の原作者自身もノリノリで続編を書いているとのことで、次回作も楽しみです!とりあえずジェイコブとニフラーが出てくることを願わんばかりです。
ちなみにアメリカの公開予定は2018年の11月だとか。
ま、待てない・・・(;・∀・)

「この世界の片隅に」から考える共感によるコミュニケーション



「この世界の片隅に」は戦時中の呉を舞台にひとり嫁いできたすずとその家族を描いた作品となっています。
「君の名は。」のような派手さはなくとも昨年末の公開以来じんわりとロングランが続いているのが印象的です。

その要因はもちろん作品そのものの魅力もありますが、それを支えているのはやはり本作における戦争のとらえ方ではないでしょうか?

従来の戦争映画といえば、広島、長崎への原子爆弾投下に代表されるような市井の人々の戦争被害がメインであるものが多く、人々は空襲に怯え、物資の不足に苦しみ、大切な人を失ったことに悲しむ姿を映し出しています。
悲しみや恐怖の伝播によって戦争は良くないものだという意識を芽生えさせることはでき、それゆえ現在のほとんどの人が戦争に反対するというのも頷けます。

これは恐怖喚起コミュニケーションと言って、以前、コチラの記事(「メカニック:ワールドミッション」から考える正しい脅迫の仕方)でも紹介しております。

ただし、恐怖喚起の場合、特にその恐怖の度合いが強すぎると反発を生んでしまって逆効果となる場合もあります。
この恐怖喚起以上に影響力があるのが、共感によるコミュニケーションです。

米田・常深・猪原・楠見(2009)では、物語の主人公と読者の性格が一致しているかどうかによって、主人公の感情推測に違いがあるか比較したところ、性格が一致している場合の方が、より感情の理解が正確だったということが示されています。

主人公と自分の性格が一致していることで共感性が高まり、結果としてより理解が促進されたということになります。

「この世界の片隅に」の世界は、今とはかけ離れたものではなく、当時なりの日常を描いたことで、観ているものの共感を呼びやすい作品だったと思います。とりわけ、すずのようにおっちょこちょいだったりのんびり屋だったり、ちょっと天然だったりする人にはなおさら感情移入がしやすいのではないでしょうか?

そして、だからこそ日常を打ち砕いてしまうかのような存在として戦争の恐怖がより深く感じられるようになっているのだと思います。

本作はクラウドファンディングによる支援で公開にこぎつけたということもあり公開当初はマスコミが取り上げることもほとんどありませんでした。それがtwitterを始めとするSNSで話題となり、結果的にこのロングランにつながっているのが現状です。

このSNSや口コミによる伝播もまた共感性の賜物なのではないでしょうか?
SNSが当たり前に利用される時代になったからこそ、利害関係などとは関わりなく自分と同じ目線の人たちの意見を聞いたり、自分から発信したりできるようになったのですね。

[引用]
米田英嗣・常深浩平・猪原敬介・楠見孝(2009). 物語理解に及ぼす読者と主人公の性格類似性の効果. 日本心理学会第73回大会発表論文集.

「この世界の片隅に」感想。


(公式HPより引用)

[story]
1944年2月、18歳のすず(のん)に縁談が持ち上がり、呉へとやってくる。その頃、呉は軍港の街として栄え、戦艦大和も停留していた。海軍文官をしている周作(細谷佳正)の妻として見知らぬ土地での生活がスタートする。それでも夫の優しい両親や、厳しい義姉の径子(尾身美詞)、その娘の晴美(稲葉菜月)と一緒に慎ましくも楽しい日々を過ごしていた。しかし、1945年になると呉も空襲にさらされ、すずの周りでも戦争の惨禍が忍び寄ってくるようになり・・・。

戦時下の広島、呉を舞台に、戦時中ながらも楽しく心豊かな生活を送るすずの家族を描いたこうの史代の同名コミックのアニメ映画化。
監督は、「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直。

2016年はアニメーション映画の隆盛が際立った年でもあります。
その先駆となったのは言うまでもなく「君の名は。」ですが、その大ヒットの影で・・・と書こうと思ったのですが、話題が話題を呼び今やこちらも立派なヒット作と言えるのが本作です。

ヒットした理由はいくつもあるので後で書いていきますが、やはりなんといっても作品そのものに魅力があるというのがその一番の要因でしょう。

本作の魅力はなんといっても、これまでにない戦時中の生活の描き方でしょう。
これまでは、戦時中は、「欲しがりません、勝つまでは。」とか「ぜいたくは敵だ!」とかのスローガンにも代表されるように、物資も不足し市井の人々はほそぼそと生活をし、さらには敵の空襲から避けるために昼でも部屋を真っ暗にして過ごしていたかのような描写が多い印象でした。

ところが本作は、たしかにつましい、ささやかな生活ではあるのですが、そこには暗く思い雰囲気はなく、その状況下でいかに楽しく過ごそうかという気持ちが現れています。
主人公のすずは絵を描くことが好きで、のんびり屋で、まあ言ってしまえばド天然なキャラクターなのですが、その彼女の立ち居振る舞いだけでも笑いを禁じえません。
いや、むしろ爆笑です。舞台設定こそ戦時中ですけど、ジャンルはドタバタコメディーです。

こういう視点から描かれていることで、当時の日常的な生活や雰囲気を垣間見ることができるとともに、このような日常を奪ってしまうものが戦争なんだということを改めて痛感させてくれます。
この戦争を描写するシーンもありますが、そこも非常に独特な描き方をしていますので、ぜひ本編を見て確認してほしいと思います。

やがて戦争が日本の敗戦と言うかたちで収束を迎えていくとき、おっとりしていたすずの怒りや慟哭が見られます。このすずの感情こそがまさに当時戦争に対して向けられた気持ちなんだと思います。

これまでにない視点で戦争を捉えていながらもメッセージ性も強いという奇跡を実現した作品になっています。
ただ全体として非常にほのぼのと楽しく見られる作品というのが正直な感想で、その要因となっているのは、すず役の声優のんの存在ですね。

「あまちゃん」で一気に国民的な女優になった能年玲奈でしたが、事務所絡みのトラブルのせいで本名なのに芸名として使用できなくなり、"のん"として再出発したものの露出が激減しているのが現状でした。
今、清水富美加の出家騒動で再び芸能事務所の問題も取り沙汰されていますが、本作ではそんな芸能界の裏事情的な部分を抜きに、しっかりと彼女の魅力が反映されていて、まさにすずそのものといった印象です。

そして本作はクラウドファンディングにより公開が実現し、その後は口コミやSNSにより評判が広まって現在も続くロングランとなっています。そしてそれによってマスコミもこの映画の、のんの存在を無視できなくなったというとても小気味よい展開となっています。

すずの声は小さな声だったかもしれないけれど、その声に賛同するものが多ければやがて大きな力をも動かすのです。
世間の盛り上がりとは裏腹に、すずは、「難しいことはわかりませんけど、世界の片隅でわたしを見つけてくれてありがとう。」と言っていそうですね。

クラウドファンディングで協賛した皆さまは一生の誇りになるでしょうね。それは無理でもまだ劇場で絶賛公開中なので、感動の共有にはまだまだ間に合いますよ!(^O^)/
プロフィール

Author:すぷーとにく0107
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中の人は、北海道は札幌市在住です。
映画館で年間200本は映画を観ます。
当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

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