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「何者」感想。


(公式HPより引用)

[story]
大学の演劇サークルに情熱を注いでいた拓人(佐藤健)だったが、今は就職活動一本に絞り、周囲を冷静に観察、分析しながら活動を続けていた。一方、拓人のルームメイトの光太郎(菅田将暉)は就職活動そっちのけでバンド活動に勤しんでいた。そんな折、光太郎の元カノで海外留学をしていた瑞月(有村架純)も日本に帰ってきて就職活動を開始することとなる。さらには、瑞月の友人でたまたま拓人たちのマンションの別の階に住んでいた理香(二階堂ふみ)と、その彼氏の隆良(岡田将生)ととも顔見知りになり、理香の部屋を"就活対策本部"として、情報交換のために定期的に集まるようになるのだが・・・。

「桐島、部活やめるってよ」の原作朝井リョウが直木賞を受賞した同名小説の映画化。
監督は「ボーイズ・オン・ザ・ラン」「愛の渦」の三浦大輔。

本作のテーマはズバリ!就職活動!
ということで、ほとんどの人が人生に一度は経験しているであろう辛くも苦い一時の映画化ということで、自分自身がどのような就職活動をしてきたか、またはしているかによって全く見方が変わる作品なのではないかという気がします。

自分の就職活動の記憶といえば、リクナビに登録、説明会に参加、「みんなの就職活動日記」(通称:みん就)で意見交換、ってな感じでした。
リクナビと説明会は今も同様でしょうが、みんなの就職活動日記はさすがにないかと思ったら今もあるんですね!しかもいつの間にか楽天が運営している!(;・∀・)

しかし今や完全にSNSの時代になっているので、情報共有や意見交換なんかもSNSが主流になってきているのでしょう。
本作で取り上げられているのがtwitterです。
主人公たち、その中でも特に拓人はことあるごとにtwitterに投稿したり、投稿を読んだりしています。

劇中で、拓人が就職活動の面接をtwitterになぞらえるシーンがあって、面接で「あなたを1分で表現してください。」などと言われるのと、twitterが140文字という制限の中でしか表現が許されていないというところが共通していると"分析"しています。

そんな短い時間で何が分かるの?

とは、おそらく就職活動をしたことがある人で、企業からお祈りメールが送られたことのある人なら誰でも一度は思ったことでしょう。

そういえばtwitterの文字数制限が変更になるみたいなニュースもありましたがそれはどうなったんですかね?
自分もtwitterもやっていますが、個人的にはあの文字数制限があるからこそどのように表現すべきか考えたりすることにもつながっているので、制約はなくしてほしくないと思っているんですけどね。

まあ、でもそこまで常に言いたいことや考えがまとまっているかと言えばそんなことはなくて、文字数制限に収まらないときは・・・

連打しますけどね!

映画の感想ではさすがにtweet乱れ打ちしても全然収まらなくなったので、このブログ初めたんですけどね。

・・・

おっと、映画の話題を離れてしまいましたね。
就職活動の際には、内定をもらう人もいればもらえない人もいるのは当然で、不況が叫ばれ続けている昨今では、20も30もの企業を受けるというのが珍しくなく、そうなれば20も30も落とされる可能性もあるわけで、さすがにそこまで落とされ続けると、自分の存在価値を疑いたくなるという気持ちにもなってしまいます。
自分は何者なんだろう?何者になれるんだろう?そんな思いもこのタイトルからは伝わってきます。

本作に登場する5人の若者たちも、それぞれに葛藤を抱えつつ就職活動に臨むことになるのです。

拓人は、人を観察したり分析したりするのが得意で、冷静に物事を捉え、就職活動にも持ち前の分析力と冷静さを持って望んでいます。

光太郎は、拓人とは対照的に、就職活動そっちのけでバンド活動にのめり込んでいましたが、バンドの解散ライブが終わって、遅ればせながら就職活動をスタートさせます。

就職活動、企業研究などに対する姿勢が端から真逆の2人がなんとも対照的です。

瑞月は留学から帰ってきて就職活動を開始します。
彼女も最初は様々な希望を持って就職活動に望みますが、やがて家族の事情で勤務地、転勤がないといった条件で折り合いをつけるようになります。

瑞月の友人で拓人らと一緒に就活対策本部を作ることとなる美香は、もっとも就職活動に力を入れています。
彼女自身も瑞月と同じように留学経験もあり(その時の楽しかった様子をSNSにあげていた瑞月と違い、彼女はあくまで就職活動に箔をつけるために、といった印象がないでもないですが)、ボランティア活動なども積極的で、いわゆる意識高い系というやつですね。

そして、美香の彼氏で、すでにコラムを書くなどのクリエイターとしての仕事をしていて、その雰囲気をプンプン醸し出している隆良は、既存の就職活動そのものを拒絶しているかのような態度を見せています。

とそれぞれの思いを抱きながら就職活動の時期を過ごすわけですが、本作は彼らの考え方やプライドをこれでもかと打ち砕きます。
もはや滑稽さすら通り越して、痛々しいくらいのレベルです。

終盤、拓人が言っていた就職面接とSNSのより恐ろしい共通性が見えてきます。
それは、ホンネとタテマエの二重構造になっているということ。
就職活動では自分の良いところ、アピールポイントをひたすらにプレゼンするのが必定で、言ってしまえば多少盛ってでも自分をよく見せようという品評会です。
そして実はこれはSNSにも同じことが言えるのです。
いかに自分の良い一面を切り取って演出するか、これはまさに昨今のSNS疲れにもつながっていく一因でもありますが、それがありありと感じられる展開でした。
その果てに現れてくるのがSNSでしか呟けないホンネですね。

本作の終盤に向けての展開にはまさにそういった人の弱さ、カッコ悪さがこれでもかと出てきます。

ただ、それだけでは終わっていないのも素晴らしいところ。
就職活動という荒波にまきこまれて、行き場を失ったかのような人でも、さて、ここからどこ行こうか、と気持ちを切り替えさせてくれる構成にもなっています。

さらに特筆すべきは、同じ朝井リョウ原作にして個人的には邦画史に残る傑作の1つだと思っている先述の「桐島、部活やめるってよ」との共通項ですね。
「桐島~」では、タイトルにもあるように、バレーボール部のエースだったら桐島が部活をやめることに端を発して、様々な人間模様が描かれていくのですが、本作のスゴイところは、この物語のキーパーソンである桐島が一切登場しないことです。
そして本作でも一人のキーパーソンとして、かつて拓人と同じ劇団で活動していながらも、劇団も大学もやめ、一人で新しい劇団を立ち上げて切磋琢磨している烏丸ギンジです。
彼はある時を境に拓人と別の道を行くことになりますが、拓人は絶えず彼の動向を気にしています。
そこには、拓人が自分にはできなかったすべてを捨ててまで演劇にかけようという気持ちを持っていることに対する憧れにも似た嫉妬、それでいて成功してほしくないというしがらみがまとわりついているかのようです。
この烏丸ギンジも(劇団を見にいくシーンはあるのでどこかにいるのでしょうが)明確には画面上には現れません。
不在のキーパーソンを描くことで、登場人物たちを突き放しているかのような目線で捉えている感じになります。
そして、さらにさらに!映画ならではの仕掛けも用意されています。

このあたりのオチはぜひ作品を観て感じてもらいたいと思います。

本作の予告編も今年何度と映画館で観ましたが、極めて秀逸なトレイラーだと思いました。
中田ヤスタカの「NANIMONO (feat. 米津玄師)」にあわせてスピーディーな展開で主人公たちの人間模様を描きつつ、肝心なところは触れていないという。
「君の名は。」の予告編でも同じことを感じていたのですが、やはり映画の予告編はこうあるべきだと思いましたね。

今、就職活動で行き詰まっている人、以外の全ての人にオススメです!
就活中の人は終わってから観ましょうね。リアルタイムだといろいろこう突き刺さるものがありそうなので・・・(;・∀・)
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すぷーとにく0107

Author:すぷーとにく0107
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中の人は、北海道は札幌市在住です。
映画館で年間200本は映画を観ます。
当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

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