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「何者」から考える就職進路決定の自己効力感



「何者」では5人の若者を中心に、就職活動に臨む姿を描いていましたが、ようやく不況という言葉やイメージが下火になってきたとは言え、大学生においても内定を全くもらえないという人もたくさんいる状況です。

本作でも就職活動の状況は明暗分かれることになるわけですが、それでは、就職活動における意識や姿勢がどのように影響しているのでしょうか?

自分が何かをする時、その行動が自分にできるかどうかという効力期待と、自分がそれを達成した時に生じる結果期待とによって、その行動や課題を遂行するための可能性が決定されます。この可能性についての認知のことを、自己効力感と呼んでいます。

例えば、サッカーをやっている人がメッシやクリスティアーノ・ロナウドのプレー動画を見ても自分で真似できるとは思わないかもしれませんが、ちょっと上手い先輩のプレイならば自分でも真似できると思うかもしれません。
前者は効力期待が低い場面で後者は高い場面ということになります。
そして、そのプレーが自分でもできるようになったとしても、それがチームのために役に立たないと思ってしまったら、結果期待が低くなり、その行動(のための練習)をしようとしなくなります。自分がこのプレーを身につけることで、チームにこれだけ貢献できるんだとイメージすることで、結果期待も高くなり、その行動に対する意欲が高まるのです。

この自己効力感の考え方は、就職活動においても見られ、それを調査したのが、以下の研究です。

古市(1995)では、進路決定効力感測定尺度を作成しています。
それが、以下の項目になります(*印は逆転項目)。

回答方法は、
5:よくあてはまる
4:少しあてはまる
3:どちらともいえない
2:あまりあてはまらない
1:全くあてはまらない
の5件法です。

逆転項目については、評価を逆転(5ならば1、4ならば2というように)させてください。

(自己適性評価)
1. 自分の適性や能力を正確に把握している。
2. 自分の興味にあった職業分野をいくつかあげることができる。
3. 能力や適性を活かせる職業分野をいくつかあげることができる。
4. 自分はどのような職業分野に向いているか、よくわからない。(*)
5. 職業選択の際,何を重視して職業を選びたいかが明確である。
6. 自分の理想や価値観にふさわしい職業分野が明確になっている。
7. 将来、どのような人生を送りたいかが、ほぼ明確になっている。
8. 自分の性格や興味を正確に理解している。

(計画立案)
9. 将来の職業を念頭において授業の履修計画を立てる自信がある。
10. 志望職業の実現に向けての計画立案と実行への自信がある。
11. いまの学部や専攻は将来の志望職業を踏まえ、計画的に選択した。
12. 資格・免許の取得のための計画を立て,実行する自信がある。
13. 就職活動の計画を念入りに立てる自信がある。
14. 人生の目標を明らかにし,それに従って職業計画を立てる自信がある。
15. 無計画ないきあたりばったりの職業選択をしてしまう気がする。(*)
16. 自分の学部・学科に合った就職先はどのようなものか、よく理解している。
17. 志望職業に関する情報を入手するため積極的に活動する自信がある。

(職業情報収集)
18. 志望職業に就くための計画をいかに立てたらよいかわからない。(*)
19. 職業の内容、資格・免許などについて調べる方法を知らない。(*)
20. 正直いって、職業についてはあまりよく知らない。(*)
21. 従事したい職業に関する情報の入手方法がよくわからない。(*)
22. 多様な職業の職務内容や必要な資格・免許について理解している。
23. 将来、従事したい諸職業の具体的な内容をよく理解している。
24. 現在の日本の求人動向をよく理解している。

(困難解決)
25. 仕事で困難な問題が生じても、なんとか対処していく自信がある。
26. 志望職業に親や兄弟が反対しても,説得して理解を得る自信がある。
27. 希望職業に就くためには,試験に失敗しても粘り強く頑張る自信がある。
28. 仕事に不満でも転職してうまくやる自信がないので仕事を続ける。(*)
29. 就きたい職業に就けるのであれば,少々の苦労でも我慢する自信がある。
30. 希望していた職業に就くのが困難なら,すぐに諦めて別の職業へ希望を変える。(*)
31. 親や教師が勧める職業でも自分に合わないと思えばはっきり拒否する。
32. 転職しても、その後なんとかうまくやっていく自信がある。

せっかくなので、わたしが独断で、「何者」の5人について進路決定効力感測定尺度を使って、就職活動における自己効力感を測定してみたいと思います。

その結果がこちら!

拓人(佐藤健)
自己適性評価:23
計画立案:31
職業情報収集:34
困難解決:22

拓人は、就職活動に向けての準備に怠りなく、多くの情報を集めて挑んでいるので、職業情報収集の得点は5人の中で最も高くなっています。
しかし、その能力と自身の分析的視点を過信してしまっているのか、実際に自分の適性を見抜く能力はそこまでではなく、困難な場面における対処や実行力に乏しいかもしれません。

瑞月(有村架純)
自己適性評価:33
計画立案:37
職業情報収集:27
困難解決:29

瑞月は5人の中で最もバランスが良いタイプ。
自分の将来のために何が必要かを考え、そのための努力を惜しまずに行動しています。自分の能力や適性、状況を考えた就職活動ができるでしょう。

理香(二階堂ふみ)
自己適性評価:34
計画立案:40
職業情報収集:32
困難解決:26

理香は計画重視タイプ。目標を設定しそれに向かって何をするべきかを考慮し行動に移していけます。ただ、それが自己評価を過大に高く見積もることにもつながってしまい、思うように他者からの評価が得られないとどうしてよいかわからなく思い悩んでしまうタイプとも言えます。

光太郎(菅田将暉)
自己適性評価:16
計画立案:10
職業情報収集:9
困難解決:38

光太郎は無計画行動主義タイプ。事前にしっかりと準備をしたり、必要な情報を集めたりするのが苦手で、とにかく行動があるのみです。
ただ実行力はあるし、少々の失敗ではへこたれないメンタルの持ち主で、目標が決まればそこに向かって突き進むことができるでしょう。

隆良(岡田将生)
自己適性評価:38
計画立案:32
職業情報収集:18
困難解決:28

隆良は自己陶酔タイプ。とにかく自分の能力や才能に対する評価が高く、現状のシステムや規範に則った行動の枠に縛られたくないため、独自の路線を行きたがる傾向があります。ただ、それがうまく他者から評価されないと、一転して現実逃避に走ってしまうタイプでもあり、大成するか、失脚するかの両極端な結果になりそう。

とまあ、こんな感じでしょうか?
映画を見てからの評価なので多少キャラのイメージにシフトした回答になりましたが、言い得て妙というかタイプがキレイに分かれているのが特徴ですね。

彼らの就職活動はどうなるのか?
それはぜひ劇場でご鑑賞を!(^O^)/

[引用]
古市裕一(1995). 青年の職業忌避的傾向とその関連要因についての検討. 進路指導研究 : 日本進路指導学会研究紀要, 16, 16-22.
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Author:すぷーとにく0107
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中の人は、北海道は札幌市在住です。
映画館で年間200本は映画を観ます。
当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

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