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「デスノート Light up the NEW world」から考えるフール・プルーフ



前の記事で「デスノート Light up the NEW world」を散々に酷評してしまいましたが、その大きな原因としては、原作、そして10年前の実写版でも繰り広げられていた頭脳戦が皆無だったことにあります。
原作の緻密さが好きだった自分としては、それが全くないものに「デスノート」を名乗ってほしくないとすら思ってしまいました。

そんな中、唯一といってもいいぐらい慎重なところを感じたのが、竜崎の行動です。
竜崎は、自分もデスノートを所有していましたが、それが他の人に気が付かれないようにするために、外出する時に必ずデスノートの所有権を放棄し、帰ってきた時に再びデスノートに触れて記憶を取り戻し、所有権も自分の元へと戻るようにしていました。

デスノートの所有者を死神の目を持つものが見ると、他の人とは異なり残りの寿命が見えないため、結果的にそれでデスノートの所有者も見分けることができるようになるのです。
そこで竜崎は、もし仮に死神の目を持つ者に出くわしても自分がデスノートの所有者だと気が付かれないようにするために、あえて毎回デスノートの所有権を放棄していたのです。

しかし、デスノートの所有権を放棄すると、そのデスノートに関する記憶も同時に失ってしまうため、所有権はおろか、どこに閉まってあるかすら忘れてしまう可能性もあります。

記憶の欠落や操作、手順のミス、勘違いといった人為的な原因によって起こされる失敗のことをヒューマンエラーと呼びます。
JIS Z 8115 : 2000によれば、意図しない結果を生じる人間の行為と規定されています。
つまりシステムの欠陥や不具合などによるものではなく、人間の認知能力、思考能力の限界により生じるため、完全な予防が難しいということでも知られています。

ヒューマンエラーは、サイフを家に忘れたり、間違ったバスに乗ってしまったりといった日常的なレベルのものから、株式の大量誤発注や原発の事故といった大規模なものまで、実に多岐にわたります。

そのためその予防についての研究は医療、航空など多くの分野をはじめ、心理学、安全工学といった学術領域でもなされていますが、上記の理由もあり、確実に防止する方法はありません。
まして、本作の竜崎のように、デスノートの所有権を放棄すると、デスノートに関する記憶が完全に消去されてしまうため、ヒューマンエラー以前の問題です。

では、そのような場面においてもすべきことを忘れないようにするためにはどうしたら良いか?
その答えは竜崎が映画で示してくれていました。

映画では2度ほどクローズアップされますが、竜崎の部屋の電気のスイッチのところにハート型の紙片が貼り付けられていました。これが実は(映画では一切説明はされませんが)デスノートの切れ端だったのです(ハート型になっているのは彼についていた死神アーマの趣味でしょうか?)。
もちろん、竜崎は電気のスイッチを入れる瞬間まで、この紙片がデスノートの切れ端であるということを認識はしていません。映画でもスイッチを入れる瞬間に紙片の存在に気づき、一瞬躊躇しているような動きをします。それでもスイッチを入れることで、この紙片に触れ、結果としてデスノートの記憶がよみがえるということを彼は毎日繰り返していたのです。

「家に帰ったらデスノートに触れなければならない。」だと、所有権の放棄によりデスノートの記憶を失ってしまうため、この行動は覚えておけません。
しかし「暗くなったら部屋の電気をつける。」ことはデスノートと直接関係がありませんし、ほとんどのひとが当たり前にする行動です。
つまり、暗くなる→電気のスイッチを入れる→デスノートに触れる、が結びついているため、たとえデスノートの記憶がなくとも、夜になれば必然的にデスノートに触れることになり、記憶も取り戻すことになるのです。

このように忘れてはいけないことを忘れないようにするための1つの方法としては、必然的行動と結びつけることがあげられます。
これは日常生活にも応用できて、例えば、明日持っていかなければならないものをあらかじめ玄関のドアノブに引っ掛けておくなんてのがその一例です。
当日の朝に、持っていくことをすっかり忘れていたとしても、出かけるためには玄関から外に出るというのが必然的行動になるので、そのドアノブに手をかけようとした瞬間に思い出すはずです。

機器のデザインなどで、間違った使い方がそもそもできない、間違った使い方をしたとしても危険が及ばないような設計や対処法のことを、フール・プルーフと呼びます。
例えば、電子レンジは扉が完全に閉じた状態じゃないと動作しませんし、オートマ車はギアをパーキングに入れないとエンジンが指導しません。車が動いている間は操作できないカーナビなんかもそうですね。

このようにデザインのレベルでの対処は多くありますが、それがかなわないような場合は、本作の竜崎のように、必然的行動と関連付けることでうっかり忘れを防ぐことができるようになります。

ただ、前日にセッティングしておくの忘れたら元も子もないんですけどね・・・(;・∀・)

[引用]
JIS Z 8115 : 2000 デイペンダビリティ(信頼性)用語.
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すぷーとにく0107

Author:すぷーとにく0107
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中の人は、北海道は札幌市在住です。
映画館で年間200本は映画を観ます。
当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

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