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今年もギリギリ!第90回アカデミー賞全部門予想!



またブログ更新を放置しているうちにアカデミー賞の季節がやってきました。
ということで、今年も全部門予想行っちゃいますよー!(^O^)/

作品賞

「君の名前で僕を呼んで」
「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
「ダンケルク」
「ゲット・アウト」
「レディ・バード」
「ファントム・スレッド」
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」
○「シェイプ・オブ・ウォーター」
◎「スリー・ビルボード」

昨年、ホワイトオスカーとの揶揄を受けてのアカデミー賞はふたを開けてみれば人種問題、とりわけ黒人を題材にしたり黒人の社会を描いたりした作品が評価され、主演、助演、男女ともノミネーションが増え、結果として、マハーシャラ・アリとヴィオラ・デイヴィスが助演賞を受賞しました。
今年は、大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる長年のセクハラ被害が明るみになり、セクハラ、女性蔑視の問題がショウビズ界で取り沙汰されてのアカデミー賞となります。

 本命は「スリー・ビルボード」。娘を殺された母親が権力や暴力、差別と戦うというのはまさに今年のトレンドを行っていると言ってよいでしょう。作品そのものの評判も素晴らしく、出演者、脚本も軒並み高評価です。唯一の気がかりと言えば監督賞にノミネートされていないこと。ただどんなに評判作でもキャリアの浅い監督がノミネート漏れすることは結構あり、本作と同じ条件でも「アルゴ」が作品賞を受賞してます(監督のベン・アフレックは監督賞にノミネートされず)し、近年は作品賞と監督賞が別の作品というパターンも多い(ここ5年で作品賞、監督賞が同じ作品だったのは「バードマン」のみ)ので、それほど危惧する必要はなさそう。サプライズはないと見る。
 対抗は「シェイプ・オブ・ウォーター」。こちらは「パンズ・ラビリンス」や「パシフィック・リム」で知られるギレルモ・デル・トロ監督が、言葉を話せない女性と未知の生物の人智を超えたラブ・ストーリーということで、まさに究極のダイバーシティ。ただ、ファンタジー系の作品で作品賞を受賞するのは非常に困難(強いて言えば「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」ぐらいか)なので、あくまでも対抗。
 他は、「ダンケルク」「レディ・バード」あたりが大穴になるが可能性は低いでしょう。


監督賞

○クリストファー・ノーラン 「ダンケルク」
ジョーダン・ピール 「ゲット・アウト」
グレタ・ガーウィグ 「レディ・バード」
ポール・トーマス・アンダーソン 「ファントム・スレッド」
◎ギレルモ・デル・トロ 「シェイプ・オブ・ウォーター」

作品賞のところで書いたように、近年は作品賞と分かれるケースも多く、今年は「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナーがノミネートされていません。
 となれば本命は、「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ。過去に「パンズ・ラビリンス」でもアカデミー賞で好評価されており、実績には申し分なし。作品の勢いもあればオスカーは確実でしょう。
 対抗はクリストファー・ノーラン。意欲的かつ挑戦的な作品が多く、批評家からの受けもよく興行的にも成功を収めていながらアカデミー賞ではこれまで監督賞としてはノミネートすらされておらず、今年が初。もはややっかみなんじゃないかとすら揶揄されているのでいつ取ってもおかしくはない。ただここまで敬遠されてここであっさり受賞というのは引っかかるので対抗まで。
 他ではポール・トーマス・アンダーソンも気になるところ。「マグノリア」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」とこれまた良作を撮り続けてきており、「ゼア~」ではコーエン兄弟(「ノーカントリー」で監督賞受賞)がいなければ戴冠していたとも考えられるので、一番近い存在とも言えます。
 以下、グレタ・ガーウィグは今回女性監督で唯一のノミネート。これまで「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグローしか女性監督での受賞はないというのも女性蔑視という考えがあれば受賞の可能性も?「ゲット・アウト」のジョーダン・ピールはコメディアン出身で本作が初監督、かつ自身で脚本も担当していますが、賞を抜きで考えると人種問題の描き方としては実に斬新で素晴らしいです。とはいえ、ここはノミネートで十分に健闘でしょう。


主演男優賞

ティモシー・シャラメ 「君の名前で僕を呼んで」
○ダニエル・デイ=ルイス 「ファントム・スレッド」
ダニエル・カルーヤ 「ゲット・アウト」
◎ゲイリー・オールドマン 「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
デンゼル・ワシントン 「ローマン・J・イスラエル・エスク(原題) / Roman J. Israel, Esq.」

 ここは大本命「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」のゲイリー・オールドマンです。
「レオン」「告発」の悪役キャラがインパクトありますが、最近ではいぶし銀の名脇役といった雰囲気が多くなっています。本作では特殊メイクの力を借りているとはいえ、チャーチルのイメージにこだわった外見、そして実在の人物を演じるというファクターもプラスに働きそうです。過去には「裏切りのサーカス」で主演男優賞にノミネート済み、前哨戦の多くでも受賞しており揺るぎないか。
 対抗として気になるのは、「ファントム・スレッド」のダニエル・デイ=ルイス。過去に6度ノミネートされ3度受賞というレジェンド。今回受賞すれば4度目となりますが、そこまでの評価になるかがカギ。ただ本作で俳優引退を公言しており、ファッション・デザイナー役の本作のために1年間ファッション業界で勉強するなどの役作りなど、評価に値する要素をたくさん持っているのも事実です。
 以下、ティモシー・シャラメは同性愛者という役柄は評価されそうですが、上記の2人と比較するとまだ受賞はなさそう。デンゼル・ワシントンも常連ですが本作の評価がイマイチなだけに受賞まではどうか。ダニエル・カルーヤも「ゲット・アウト」ではインパクトのある演技でしたがノミネートだけでも御の字でしょう。


主演女優賞

サリー・ホーキンス 「シェイプ・オブ・ウォーター」
◎フランシス・マクドーマンド 「スリー・ビルボード」
マーゴット・ロビー 「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」
○シアーシャ・ローナン 「レディ・バード」
メリル・ストリープ 「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」

 ここも作品の勢い、キャラクター、キャリア、前哨戦どれを取っても「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマンドが一歩抜けている印象です。たとえ作品賞が「シェイプ・オブ・ウォーター」になったとしてもこちらは堅いのではないか。
 サリー・ホーキンスも言葉の話せないキャラクターということで表情や手話で表現というところは評価しやすいかもしれないが、対抗としては「レディ・バード」のシアーシャ・ローナン。先述した女性蔑視問題に向けて女性が主人公の映画を評価するという流れになれば逆転も。弱冠23歳ながら3度目のノミネート。ジェニファー・ローレンス、ブリー・ラーソン、そして昨年のエマ・ストーンと20代の女優が受賞することも増えてきただけに侮れない存在。
 以下、マーゴット・ロビーも華があるがさすがにここはノミネートまでか。メリル・ストリープはさすがの貫禄でのノミネートだけど、受賞まではなさそう。


助演男優賞

○ウィレム・デフォー 「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」
ウディ・ハレルソン 「スリー・ビルボード」
リチャード・ジェンキンス 「シェイプ・オブ・ウォーター」
クリストファー・プラマー 「オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)」
◎サム・ロックウェル 「スリー・ビルボード」

 ここも「スリー・ビルボード」からサム・ロックウェルで。作品の力もさることながら、フランシス・マクドーマンド扮する娘を殺された母親と対峙する差別主義者の警官でそれが次第に感化されていくという単なる悪役ではない役どころ。ちょっと変わった映画にひょいっと顔を出す脇役というイメージが強いのですが、もう50歳になるんですね・・・。
 対抗は「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」のウィレム・デフォー。「プラトーン」のエリアス軍曹役で強烈なインパクトを残したものの、その後は悪役俳優のイメージが強いですが本作では子どもたちに振り回されながらも行き場のない家族を優しく見つめるモーテルの管理人という、これまでのイメージを払拭するような役柄で、本作の評価を一身に担っていると言っても過言ではないでしょう。ただ悪役イメージ俳優の受賞というのは主演男優賞のゲイリー・オールドマンと被るし、作品賞の候補からも漏れていると考えると勢いでは劣るのかもしれません。


助演女優賞

メアリー・J・ブライジ 「マッドバウンド 哀しき友情」
◎アリソン・ジャネイ 「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」
レスリー・マンヴィル 「ファントム・スレッド」
○ローリー・メトカーフ 「レディ・バード」
オクタヴィア・スペンサー 「シェイプ・オブ・ウォーター」

 こちらも一騎打ちの様相です。本命は、「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のアリソン・ジャネイ。トーニャ・ハーディングと言えばリレハンメル五輪の頃、フィギュアスケートアメリカ代表のライバルだったナンシー・ケリガン襲撃事件で話題でしたが、彼女の自伝的映画でアリソンは娘を金儲けの道具としか考えていない母親役を演じているそうで、前哨戦の成績からも受賞に一番近い存在でしょう。
 対抗は「レディ・バード」のローリー・メトカーフ。こちらも主人公の母親役で、エミー賞も受賞しているテレビ女優という点でもアリソン・ジャネイと共通しています。「アイ,トーニャ~」が作品賞の候補にはなっていないのに対し、「レディ・バード」は作品賞はじめ主要賞でもノミネートされているだけに作品の力を考えれば逆転の目もあるかも。ただ役柄のアクの強さ、映画界でのキャリアを考えるとアリソンの方がリードと考えられます。
 他は、歌手として大成功しているメアリー・J・ブライジが女優としても評価されたのはスゴイと思いますが、さすがにノミネートまででしょう。


長編アニメ映画賞


「ボス・ベイビー」
「ザ・ブレッドウィナー(原題) / The Breadwinner」
◎「リメンバー・ミー」
「ファーディナンド(原題) / Ferdinand」
「ゴッホ 最期の手紙」

 ここは今回のノミネートの中でも一番と言っていいぐらい確実に、大本命の「リメンバー・ミー」は受賞するでしょう。メキシコが舞台で試写の国に迷い込んでしまった少年が、様々な体験を通して家族との絆を再確認していくというストーリーで、文化の多様性、ストーリーといかにも評価しやすい材料が揃っています。
 今年は長編アニメ映画賞のノミネート方法が代わって、これまではアニメクリエイターによる投票だったものが今年からはアカデミー会員全てがノミネート選考に関われるようになったため、良くも悪くも無難な作品が選ばれる傾向が強まったとも言えます。題材的に受賞しづらいとは言え、「この世界の片隅に」は例年ならばノミネートは確実だったと思うのですが・・・。
 ということもありディズニー・ピクサーの牙城が崩れることはほぼありえないでしょう。個人的には全編をゴッホの描画のタッチによるCGアニメで描ききった「ゴッホ 最期の手紙」も好きなのですが、受賞までは難しいでしょう。
 

短編アニメ映画賞

◎「ディア・バスケットボール(原題)/ Dear Basketball」
「ガーデンパーティー(原題) / Garden Party」
○「LOU」
▲「ネガティブ・スペース(原題) / Negative Space」
「へそまがり昔ばなし」

 この部門は事前情報が少ないので評価が難しいのですが、本命は、「ディア・バスケットボール」。元NBAのコービー・ブライアントが書いた詩をベースにディズニー出身のクリエイターが手書き画でコービーの躍動感溢れる姿を描いており、アニメ回のアカデミー賞とも言われるアニー賞を受賞しているのも強み。
 対抗はディズニーの「LOU」。「カーズ/クロスロード」の併映作品だったので鑑賞済みですが、いじめっ子が友だちから取ったものを返してあげる中で大切なものに気がつくというストーリーもしっかりしており、王道的な作品が素直に評価されるとしたらこちらの可能性も。
 以下、「ネガティブ・スペース」は日本人のクリエイターなので応援したいところですね。作品は出張のために荷物をパッキングする中で親子の関係を描いたストップモーションアニメということで、その技術的な面がどこまで受けるか。ただアニー賞ノミネート止まりで、こちらが受賞するならアニー賞を取った本命という気もしますね。


脚本賞

エミリー・V・ゴードン、クメイル・ナンジアニ 「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」
○ジョーダン・ピール 「ゲット・アウト」
グレタ・ガーウィグ 「レディ・バード」
ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー 「シェイプ・オブ・ウォーター」
◎マーティン・マクドナー 「スリー・ビルボード」

 ここも「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナーと予想。今年のトレンド、作品の勢い、描かれているテーマなど追い風の要素が多いのもそうですが、それ以上に本作の魅力は脚本にあるという評価も多く、本命は外せません。
 対抗は、「ゲット・アウト」のジョーダン・ピール。前哨戦では「スリー・ビルボード」と互角で作品賞のところにも書きましたが、人種問題を斬新な視点で描いているということは評価されそうですし、他の有力候補が2017年末に公開されているのに対し、本作は2017年2月とかなり早い時期に公開されているにも関わらずノミネートされているということはそれ自体が高い評価の証拠とも言えます。ただ、やはりジャンルとしてはホラーに分類される作品での受賞は難しいでしょう。脚色賞まで広げて考えると「エクソシスト」が受賞しています。あとは「羊たちの沈黙」はホラーかどうかは難しいですが、それぐらいにレアなケースなので、やはり逆転は厳しいかもしれませんね。
 

脚色賞


◎ジェームズ・アイヴォリー 「君の名前で僕を呼んで」
○スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー 「ザ・ディザスター・アーティスト(原題) / The Disaster Artist」
マイケル・グリーン、スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールド 「LOGAN/ローガン」
アーロン・ソーキン 「モリーズ・ゲーム」
ヴァージル・ウィリアムズ、ディー・リース 「マッドバウンド 哀しき友情」

 ここは脚本賞とは対照的に、作品賞ノミネートが1つだけということで、本命は「君の名前で僕を呼んで」のジェームズ・アイヴォリーでしょう。同氏は監督賞に過去3回ノミネートされていながら受賞はのがしており、賞が違うとは言えこのあたりでオスカー獲得というのは大いに考えられます。
 対抗は、「ザ・ディザスター・アーティスト」のスコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー。最低映画と評された「The Room」の撮影までの姿を描いた内情モノとしてよくできたコメディーだそうで。
 以下、アメコミながらストーリー性も話題だった「LOGAN/ローガン」のマイケル・グリーン、スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールドや、「ソーシャル・ネットワーク」で受賞歴のある「モリーズ・ゲーム」のアーロン・ソーキンあたりも有力。


撮影賞

◎ロジャー・ディーキンス 「ブレードランナー 2049」
ブリュノ・デルボネル 「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
○ホイテ・ヴァン・ホイテマ 「ダンケルク」
▲ダン・ローストセン 「シェイプ・オブ・ウォーター」
レイチェル・モリソン 「マッドバウンド 哀しき友情」

 ここはついに「ブレードランナー 2049」のロジャー・ディーキンスが戴冠するでしょう。コーエン兄弟の作品をはじめ多くの作品で撮影監督となり、アカデミー賞ノミネートは過去に13回、2007年には「ノーカントリー」と「ジェシー・ジェームズの暗殺」で同時ノミネートされながらも受賞ならずという無冠の帝王でしたが、今年は14度目の正直となるのが濃厚な気がします。対象作の「ブレードランナー 2049」は、当時はカルト的な人気SFと言われていましたが、今からすればすっかりレジェンドの域に達している1982年公開の「ブレードランナー」の続編です。その特有の近未来を映し出す映像は受賞を後押しするはず。
 万が一、この13回ノミネートにも関わらず受賞できないのに政治的な理由でもあるとすれば、浮上してくるのが「ダンケルク」のホイテ・ヴァン・ホイテマ。アカデミー賞ノミネートこそ初だが、「ダンケルク」のクリストファー・ノーラン監督とタッグを組んでいた「インターステラー」でも撮影を担当しており実力は折り紙つき。他では「シェイプ・オウ・ウォーター」のダン・ローストセンか。また、「マッドバウンド 哀しき友情」のレイチェル・モリソンは、同部門で初めての女性撮影監督としてノミネート。この部門はとりわけ男性社会(映画用のカメラ自体が重いのでどうしてもそうなりがちなのかもしれませんが)という状況でノミネートされたのもひとえに今年のトレンドではありますが、さすがに受賞までは難しいか。


美術賞

サラ・グリーンウッド、ケイティ・スペンサー 「美女と野獣」
サラ・グリーンウッド、ケイティ・スペンサー 「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
○デニス・ガスナー、アレッサンドラ・クエルゾラ 「ブレードランナー 2049」
◎ポール・デナム・オースタベリー、ジェフリー・A・メリヴィン、シェーン・ヴィア 「シェイプ・オブ・ウォーター」
▲ネイサン・クロウリー、ゲイリー・フェティス 「ダンケルク」

 本命は「シェイプ・オウ・ウォーター」のポール・デナム・オースタベリー、ジェフリー・A・メリヴィン、シェーン・ヴィア。ギレルモ・デル・トロの作品はその世界観が重要でそれを一番に支えているのは美術ということになるので。作品そのものの評価とも比例してここは最もオスカーに近いと考えるべきでしょう。唯一の気がかりはキャリアやノミネート歴で他の候補に劣るところか。
 対抗は、「ブレードランナー 2049」のデニス・ガスナー、アレッサンドラ・クエルゾラ。こちらもまた世界観の構築に大きく貢献しているでしょう。前哨戦でも互角なのであとは作品そのものの魅力を考えると若干分が悪いですが、「シェイプ~」の方は、逆にここを逃すと他の部門でもイエローランプがついてしまいかねないかも。
 「ダンケルク」のネイサン・クロウリー、ゲイリー・フェティスも気になるところ。こちらも作品の評価を考えれば上記の2つに肉薄してもおかしくないかもしれません。
 残り2枠は「美女と野獣」「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」で、いずれもサラ・グリーンウッド、ケイティ・スペンサー。2部門ノミネートは立派ですが受賞までは難しいか。


編集賞

◎ポール・マクリス&ジェナサン・エイモス 「ベイビー・ドライバー」
○リー・スミス 「ダンケルク」
タティアナ・S・リーゲル 「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」
シドニー・ウォリンスキー 「シェイプ・オブ・ウォーター」
ジョン・グレゴリー 「スリー・ビルボード」

 編集は映像完成の最終段階でもあるので、非常に重要な部門になります。というのもここにノミネートされずに作品賞を受賞するというケースはかなり少なく、2014年の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」以前は1980年の「普通の人々」まで遡ります。そういう観点で行くと、作品賞は自ずと「スリー・ビルボード」「シェイプ・オウ・ウォーター」、そして「ダンケルク」に限られているとも言えます。
 ただノミネートこそ条件でありますが受賞結果が作品賞と一致しないパターンは多く、編集賞が作品賞以外の作品に行ったのは、2016年「ハクソーリッジ」、2015年「マッドマックス/怒りのデスロード」、2014年「セッション」(ただしこの歳は作品賞の「バードマン~」が編集賞にノミネートされず)、2013年「ゼロ・グラビティ」、2011年「ドラゴン・タトゥーの女」、2010年「ソーシャル・ネットワーク」と2010年以降、作品賞と編集賞を両方受賞したのは2012年の「アルゴ」のみとなっています。作品賞受賞作を押しのけて受賞した作品は編集そのものが魅せる編集であるということ。
 長くなりましたが、この観点で行くと、本命は「ベイビー・ドライバー」のポール・マクリス&ジェナサン・エイモス。耳鳴りを抑えるためにつねにiPodで音楽を聞いている逃がし屋の凄腕ドライバーを描いた同作では、絶えず音楽が流れており、この音楽に合わせて主人公ベイビーの動作やアクションが展開していくという実に小気味の良い作品ですが、これはまさに編集の力があってこそ。さらには音響関係の賞でもノミネートされているだけに一番オスカーに近いと言えるでしょう。
 対抗は「ダンケルク」のリー・スミス。ここ数年のクリストファー・ノーラン監督作品の編集を担当しており、ノミネートも3回目と実績だけで考えるなら有利です。クリストファー・ノーラン監督作もかなり編集が重要になってくると思うので逆転も大いにありえそう。前哨戦の一つである放送映画批評家協会賞ではこの2作が同時受賞していることもあり、このどちらかが受賞する可能性が高いでしょう。
 

録音賞

◎「ベイビー・ドライバー」
「ブレードランナー 2049」
○「ダンケルク」
「シェイプ・オブ・ウォーター」
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」

 ここと音響編集賞と素人としてはなかなかわかりづらいのですが、録音=撮影時における録音技術ということで、現場での生音に対する評価が直結しやすく、結果として「レ・ミゼラブル」や「セッション」などミュージカルや音楽系の映画が受賞していることが多いです。ただ今年は候補作にそのジャンルのものはありません。
 とすれば、本命は一応音楽が影響している「ベイビー・ドライバー」に。カーアクションの音などは録音によるものだと思いますし、実際の音もBGMとともに映画にシンクロしているという技術も評価の対象になるかと。
 対抗は「ダンケルク」。戦争モノもこの部門ではなかなか強く、去年の「ハクソー・リッジ」をはじめ、「ハート・ロッカー」「ブラックホーク・ダウン」「プライベート・ライアン」などが受賞しています。ただ「ダンケルク」は戦争映画ではありますが激しい銃撃戦があるタイプのものではないのでこの部門でどれぐらい評価されるかは正直未知数です。


音響編集賞

◎「ベイビー・ドライバー」
▲「ブレードランナー 2049」
○「ダンケルク」
「シェイプ・オブ・ウォーター」
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」

 こちらは編集の段階であとから音を追加したり新たに作り出したりした音をミックスしたりする音関係の編集全般についての賞となります。戦争モノを始めアクション系の作品が強い印象です。
 となれば「ダンケルク」・・・と言いたいところなんですが、録音賞のところでも書いたように激しい銃撃戦等がなかったのでそれほど音の面でインパクトがあったような気がしないんですよね。強いて言えば潜水艦でのきしみとかそういった音の方が記憶にあります。まあ「Uー571」とか「レッド・オクトーバーを追え!」とか潜水艦映画も受賞してますので素直に受賞もあり得るんですけどね。
 というわけで、ここも本命は「ベイビー・ドライバー」の方。編集賞でもノミネートされているだけにかなり強力なんじゃないでしょうか?録音賞と同時受賞というのも近年では「マッドマックス/怒りのデス・ロード」、「ゼロ・グラビティ」、「ヒューゴの不思議な発明」、「インセプション」と2010年以降で4回ありますし、編集賞も同時受賞は「マッドマックス~」、「ゼロ・グラビティ」の2回あるというのも後押しに。
 対抗は「ダンケルク」ですが、「ブレードランナー2049」の近未来ながら不穏な雰囲気を醸し出す音も忘れがたいのでこちらも候補にしておきます。


視覚効果賞

○「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」
◎「ブレードランナー 2049」
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」
「キングコング:髑髏島の巨神」

 ここは前哨戦では上記2作の一騎打ちという様相ですが、やはり作品の魅力を考慮して「ブレードランナー 2049」で。あの世界観にビジュアル面が果たした影響は大きいと思います。
 対抗は前哨戦で賞を分け合っている「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」。本物のサルとしか見えないモーションキャプチャーは見事としか言いようがないのですが、本作の評価が「ブレードランナー~」よりは低いということと、過去2作もノミネートされていながら受賞していないということを考えるとギリギリオスカーには届かないという気もします。


衣装デザイン賞

◎マーク・ブリッジス 「ファントム・スレッド」
○ジャクリーヌ・デュラン 「美女と野獣」
ジャクリーヌ・デュラン 「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
▲ルイス・セケイラ 「シェイプ・オブ・ウォーター」
コンソラータ・ボイル 「ヴィクトリア・アンド・アブドゥル(原題) / Victoria & Abdul」

 本命は「ファントム・スレッド」のマーク・ブリッジス。作品そのものもファッションの世界を描いているし、マーク・ブリッジスは過去2度ノミネート、「アーティスト」で受賞と実績も申し分なし。前哨戦も優位でこの部門では一番オスカーに近いといえるでしょう。
 対抗は、「美女と野獣」のジャクリーヌ・デュラン。今年は「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」でもノミネートされていますが、この部門は時代物コスチュームが強い傾向もあるので「美女と野獣」の方を上に見ました。ただこの作品は出ずっぱりになっているのはベルと野獣ぐらいで過去の受賞作品とくらべてもそこまできらびやかな印象がないんですよね。原作のアニメの世界観は再現していますがこの部門で受賞となるかはわかりません。とはいえ過去4回ノミネート、今年Wノミネートの上、過去に「アンナ・カレーニナ」で受賞と実績は上位ですね。
 それからファンタジー作品も強い部門なので、「シェイプ・オブ・ウォーター」のルイス・セケイラの可能性もあります。ただ美術部門ほどのインパクトを作品に与えていなさそうですし、実績面でも上記の2人には劣るので、ここはノミネートで良しとすべきか。
 

メイク・ヘアスタイリング賞

◎辻一弘、デヴィッド・マリノフスキ、ルーシー・シビック 「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
ダニエル・フィリップス、ルー・シェパード
「ヴィクトリア・アンド・アブドゥール(原題) / Victoria & Abdul」
アリエン・タウテン 「ワンダー(原題) / Wonder」

 ここは「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」の辻一弘、デヴィッド・マリノフスキ、ルーシー・シビックで決まりでしょう。主演のゲイリー・オールドマンが似ても似つかないウィンストン・チャーチルに成り切れている重要なファクターがメーキャップとも言えます。ゲイリー本人が今はメーキャップではなく現代美術の分野で創作活動をしている辻さんに直談判してまで依頼したのに見事に応えているのは素晴らしいですね。過去に3度ノミネート、リック・ベイカーとともに「グリンチ」で受賞済と実績も申し分なし。世界で活躍する日本人には尊敬の念しかありません。マリオン・コティヤールが「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜」で主演女優賞を受賞した時も、メイクによって別人になりきっていると評されたように、今年もその形に該当しそう(ちなみにこの年に「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜」はメイクアップ賞も受賞、ノミネートには辻一弘らの「マッド・ファット・ワイフ」がありました)。


作曲賞

ハンス・ジマー 「ダンケルク」
◎アレクサンドル・デスプラ 「シェイプ・オブ・ウォーター」
カーター・バーウェル 「スリー・ビルボード」
○ジョニー・グリーンウッド 「ファントム・スレッド」
ジョン・ウィリアムズ 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」

 ここは前哨戦の成績を考慮して、「シェイプ・オブ・ウォーター」のアレクサンドル・デスプラで。過去8回ノミネートで「 グランド・ブダペスト・ホテル」で受賞もしており実績も申し分なし。
 対抗は「ファントム・スレッド」のジョニー・グリーンウッド。レディオヘッドのギタリストですがポール・トーマス・アンダーソンの映画音楽を手がけることが多く、ついにアカデミー賞でもノミネート。ただ初ということもあってノミネートまでか。


歌曲賞

"Mystery of Love" 「君の名前で僕を呼んで」
"Stand Up for Something" 「マーシャル(原題) / Marshall」
▲"Mighty River" 「マッドバウンド 哀しき友情」
○"Remember Me" 「リメンバー・ミー」
◎"This Is Me" 「グレイテスト・ショーマン」

 本命は「グレイテスト・ショーマン」の"This Is Me"。一念発起してサーカスの支配人になった主人公が変わり者たちを集めて誰も見たことのないショーを創り出すという話で、これまで周りから疎まれ嫌われてきた人たちにもスポットを浴びるチャンスがあるというテーマはまさに多様性が求められる時代ともマッチしているし、この曲そのものがそれを体現しているというのは評価しやすいはず。メインで歌っているキアラ・セトルもミュージカルが中心で本格的な映画は初めてという、まさに役を地で行くような形でスポットライトを浴びているというのも素晴らしい。
 対抗は、「リメンバー・ミー」の"Remember Me"。ディズニー・ピクサー作品の本作は作品自体の評価も高く長編アニメ映画賞はほぼ確実で、前哨戦で言えば"This Is Me"よりも高い評価を受けています。ただこの部門はかつてはディズニーアニメの独壇場という感じでしたが、最近だと「アナと雪の女王」の"Let It Go"と「トイ・ストーリー3」“We Belong Together”ぐらい。絶対的な本命とは言い切れない可能性も。
 以下、気になるのは「マッドバウンド 哀しき友情」の"Mighty River"。助演女優賞こそ厳しいかもしれませんが本職のこちらならばという感じもありますね。


外国語映画賞

◎「ナチュラルウーマン」(チリ)
「ジ・インサルト(原題) / The Insult」(レバノン)
▲「ラブレス」(ロシア)
「心と体と」(ハンガリー)
○「ザ・スクエア 思いやりの聖域」(スウェーデン)

 受賞歴で言うと「ザ・スクエア 思いやりの聖域」が抜きん出ている印象で、カンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)を受賞しています。それならばと思いがちですが、アカデミー賞はカンヌ映画祭を始めヨーロッパの3大映画祭との相性がそれほど良くないように思います。過去にパルムドール受賞作でアカデミー作品賞や外国語映画賞に輝いたのは2012年のミヒャエル・ハネケ監督の「愛、アムール」と、それ以前は1988年のビレ・アウグスト監督の「ペレ」まで遡ります。選考の仕方からだいぶ違うので優劣をつける問題ではありませんが、ここでは対抗まで。
 本命はチリの「ナチュラル・ウーマン」。トランスジェンダーの主人公が差別や偏見と戦っていくというのはまさに今年のトレンドに合致するものでもありますし、何より自分らしさを獲得していく姿は感動必至でしょう。
 対抗は上記の「ザ・スクエア~」として、他に強力なのはロシアの「ラブレス」。両親が離婚しそれぞれ新しい生活を始めようと考えている矢先に2人の子どもがいなくなるというドラマ。監督のアンドレイ・ズビャギンツェフは、「父、帰る」でベルリン映画祭金獅子賞を受賞しており、2014年の「裁かれるは善人のみ」でアカデミー賞外国語映画賞にもノミネート済と実績は十分。


短編実写映画賞

「ディカーブ・エレメンタリー(原題) / DeKalb Elementary」
○「ジ・イレブン・オクロック(原題) / The Eleven O’Clock」
「マイ・ネフュー・エメット(原題) / My Nephew Emmett」
「ワツ・ウォテ:オール・オブ・アス(原題) / Watu Wote: All of us」
◎「ザ・サイレント・チャイルド(原題) / The Silent Child」

 この部門はいよいよ情報が少ないので予想が難しいというよりはしようがないというところもあるんですが、本命は「ザ・サイレント・チャイルド」で。耳の聞こえない少女がコミュニケーションの手段を得るまでという題材が良さそう。
 対抗は、精神科に通う思い込みの激しい男が、ついには自分が精神科医だと思い込むコメディーの「ジ・イレブン・オクロック」。


長編ドキュメンタリー賞


「アバカス:スモール・イナフ・トゥ・ジェイル(原題) / Abacus: Small Enough to Jail」
◎「フェイセズ・プレイシーズ(原題) / Faces Places」
「イカロス」
○「アレッポ 最後の男」
「ストロング・アイランド」

 ここは「フェイセズ・プレイシーズ」が本命。ヌーヴェルバーグの祖母と呼ばれる女性映画監督の先駆者アニエス・ヴァルダと一般人の参加型アートプロジェクトなどで知られるフランス人アーティストのJRが、フランスの田舎を旅しながら地元の人々と触れ合うさまを描いたロードムービー風のドキュメンタリーはカンヌをはじめ世界中で絶賛されています。
 対抗は、「アレッポ 最後の男」。シリア北部の戦闘を描いたドキュメンタリーですが、トランプ政権の入国禁止令により同作のプロデューサーが授賞式に参加できない、この構図は昨年「セールスマン」で外国語映画賞を受賞したアスガル・ファルハーディ監督と同じ。そういった政治背景が後押しすれば逆転もあるかも。


短編ドキュメンタリー賞


○「イーディス+エディー(原題) / Edith+Eddie」
◎「ヘヴン・イズ・ア・トラフィック・ジャム・オン・ザ・405(原題) / Heaven Is a Traffic Jam on the 405」
▲「ヘロイン×ヒロイン」
「ナイフ・スキルズ(原題) / Knife Skills」
「トラフィック・ストップ(原題) / Traffic Stop」

 ここは前哨戦では「ヘロイン×ヒロイン」ですが、NETFIX制作というのがどのような評価になるのかは未知数です。ということで本命は「ヘヴン・イズ・ア・トラフィック・ジャム・オン・ザ・405」。精神障害を負っている女性画家についてのドキュメンタリーで創造性豊かな部分が評価されそう。
 対抗は異人種間で結婚をしている90歳過ぎの老夫婦の姿を描いた「イーディス+エディー」。こちらも近年のトレンドであるダイバーシティにつながる作品です。


というわけで全部門予想でした!
元々情報の少ない短編系の映画どころか、この時点で公開中の「スリー・ビルボード」も「シェイプ・オブ・ウォーター」も見ていない状況での予想ということで、まあ当たるも八卦当たらぬも八卦というやつですね。
あいにくリアルタイムで授賞式は見れませんが、結果が楽しみです!
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当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

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