「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」から考えるしくじり効果



「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」では、いつきのあまりにも非の打ち所がないパーフェクトヒューマンぶりに、観ている女性はもちろん男性すらもファンファンウィーヒッタステーッステー状態になっていたことでしょう。

ただ、その一方で、自分との歴然とした差を感じてしまった人もいるのではないでしょうか。
イケメンで、家柄もよく、優しく、料理好きで・・・この部分は本作のレビュー記事を読んでいただければ、その偉業がわかります。
カップルで観に行ってしまった人は、彼女が自分よりもスクリーンの中にいる男性に魅入られるのも仕方がないというものです。
(カップルはこの映画、ドンドン見に行けばいいと思うよ!)

さて、ここで理想の相手とはどんな人であるべきでしょう?
上記のように、イケメンが良い、優しい人が良い、金持ちが良い・・・理想を上げればきりがないという人もいるかもしれません。

Aronson, Willerman & Floyd(1966)では、実験参加者に2種類のテープを聞かせました。そのテープでは、ある人物に常識クイズに回答してもらった後、自分の履歴を語ってもらっているという内容で、どちらのテープでも、クイズの成績は極めて良く、その後に語られる履歴も優秀で輝かしいものでした。唯一違っていたのは、最後の方で、一方のテープでは、コーヒーをこぼして新品のスーツを台無しにしてしまうという様子があった点で、これはもう一方のテープにはありませんでした。

テープを聞いた後に、そのテープで語っていた人物の印象評価をしたところ、コーヒーをこぼすという失敗をした人物の方が、より好感を持たれるという結果になりました。つまり、完璧すぎる人間よりも、ちょっとした失敗をする方が、より人間味があって魅力的であると評価されるということです。
このように、ちょっとした失敗やドジをすることによって同情心や人間らしさを感じることによって、完璧すぎるよりも評価が高まることは、しくじり効果と呼ばれています。

これで、自分が完璧じゃなくても一安心といったところでしょうか?
あ、でも岩ちゃんがちょっとドジっ子なところ見せたら、全くかなわn・・・

なんだ、失敗しても大丈夫なのか!と思いたいところですが、Aronsonらの追加実験で、先ほどと同様の状況で、今度はテープの人のステータスが、クイズの正解率も履歴も平凡だった場合にどのような評価になるかを比較しています。その結果は、先ほどとは逆になり、コーヒーをこぼした方はさらに印象が悪くなってしまいました。つまり完璧な人がちょっとしたミスをすることは好感度アップにつながりますが、普通の人がやると、単なる失敗とみなされるわけですね。Oh...

ワイズマン(2012)はAronsonらの実験をショッピングセンターを舞台に行っています。彼の実験では、サラとエマという2人の女性に新型ミキサーを使ったフルーツドリンクの作り方を初回するというデモを行ってもらいました。サラは完璧にミキサーを使いこなしてフルーツドリンクを完成させるのに対し、エマは最後にミキサーのフタを十分に閉めず、ジューサーの中身を頭からかぶってしまいます。
この2人のデモを見た後の印象評価では、サラのデモには説得力があったという評価でしたが、失敗をしたエマのほうが好感が持たれたという結果でした。先のAronsonらの実験結果を追従する形となっていました。

Chu, Hardaker & Lycett(2007)では、女性の実験参加者に60名分の男性の写真と履歴を見せて、好感度と結婚したいと思うかを評価してもらいました。その結果、見た目がハンサムな人、所得が高いと思われる職種の人の好感度は高くなっていましたが、結婚したいと思うかの評価においては、ハンサムで高収入と思われる人の評価は低くなっていました。
これは、その手のタイプの男性が多くの女性にモテて、浮気の可能性も高まるとの解釈だそうです。ここでも完璧すぎることへの敬遠は起こっているようですね。

これで多少の欠点があっても気にせずにいられますね!

にも関わらずモテない人は、この考えを逆手に取ってしまえばいいのです。
そうか、自分は完璧すぎるからモテないのだと!

ハハッ・・・(おや目から水が)

[引用]
Aronson, E., Willerman, B., & Floyd, J.(1966). The effect of pratfall on increasing interpersonal attractiveness. Psychonomic Sceience, 4, 227-8.

Chu, S., Hardaker, R., & Lycett, J. E.(2007). Too good to be "true"? The handicap of high socio-economic status in attractive males. Personality and Individual Differences, 42, 1291-1300.

リチャード・ワイズマン(2012). その科学が成功を決める. 文藝春秋.
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当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

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