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「スーサイド・スクワッド」から考える転移・逆転移



「スーサイド・スクワッド」はとにかくハーレイ・クインだけ見てればそれでいい!と言い切ってしまうぐらいに彼女の活躍ぶりが目立つ映画でした。ハーレイ・クインは、DCコミックスの実写映画版には初登場なのですが、あのジョーカーの恋人という役どころであります。

元々は精神科医ハーリーン・クインゼルで、ジョーカーの精神構造に興味を持って近づいたところ、逆にジョーカーの虜になってしまい、ジョーカーの望むままに行動するハーレイ・クインとなったのです。

そんなことあるのか?と思うかもしれませんが、実はこれはカウンセラーとクライアントの関係としては起こりうる1つの現象として紹介されているものなのです。

クライエントが自分にとって重要な他者(両親など)との間に生じた欲求、感情、葛藤などが、別の対象(多くの場合は治療者やカウンセラーなど)に対して向けられるようになることを転移と言います。
愛情や依存欲求が向けられる場合を陽性転移、敵意や攻撃欲求が向けられる場合を陰性転移と呼んでいます。

それに対して、カウンセラーなどの治療者に立つ側の方が、クライエントに対して自分自身が過去に持っていた欲求や葛藤などを向けることを、逆転移と言います。
この考えを提唱したFreud(1910)は、クライエントを理解したり、適切な働きかけを行うのに妨害となるものだとし、それを克服することの重要性を述べていますが、広義の意味では、クライエントの深層を理解し、その問題点を修正する上で不可欠なものという考えもあるそうです。

陽性転移は、例えば親に虐待されていた子どもが、お医者さんやカウンセラーなどに優しく接してもらうと、自分が親にしてもらいたかったと思うことを要求するようになる場合などが挙げられます。
両者の関係性によっては、恋愛感情が芽生える場合もあります。

ただし、このような感情を抱いているときに冷たい対応をされたり、あるいは自分を虐待していた親と同じような仕草を見せたりすると、その相手に対して拒絶反応を示すなどの陰性転移が生じます。

これがお医者さんやカウンセラーなどの治療者側から起こるのが逆転移で、本作のハーレイ・クインはまさにその状態にあるわけです。

この転移と逆転移を提唱したフロイト、ユングが、まさにその現象に飲み込まれるさまを描いた「危険なメソッド」という映画もありますので、このことを理解してから見るとより楽しめると思います。

日本でも最近のドラマで「Dr. 倫太郎」や福山雅治主演の「ラブソング」あたりでも取り上げられていて、何かと話題でしたね。


[引用文献]
Freud, S.(1910). Die zukünftigen Chancen der psychoanalytischen Therapie. Internationaler Psychoanalytischer Verlag.
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Author:すぷーとにく0107
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当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

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