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「四月は君の嘘」から考える選択的聴取と創造性



「四月は君の嘘」では、主人公の公生が、自分のピアノの先生でもある母親に汚い言葉を浴びせてしまったことで、ピアノの音が聞こえなくなってしまいます。

実際にそんな症例があるのかというと、さすがにピアノの音だけ聞こえなくなるというのは考えづらいのですが、心因性の理由によって聴覚が失われる現象として、突発性難聴があげられます。

突発性難聴は、文字通り、突然耳が聞こえなくなる、聞こえづらくなるというのが症状で、その原因は明確には分かっていませんが、多くの場合が心因性、つまりはストレスなどが原因で起こるとされています。
公生もある種の突発性難聴と考えたら良いのかもしれませんね。

ところで、人の聴覚には、注意を向けた音声だけを選択的に聴取し、それ以外の音を聞かないようにするという機能があります。
このことを選択的聴取と言っているのですが、大勢の人が雑談をしている最中でも、自分の聞きたい人の声だけを聞き分けることも可能であることから、カクテルパーティー効果とも言われています。
この選択的聴取によって、聞きたい音に注意を向ける一方で、それ以外の音は聞かないようにするわけですが、ただ、どうしてもまわりの雑音が気になるタイプの人もいるかと思います。
そんなときに、「自分は集中力がないのでは?」などと心配してしまう方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

Zabelina et al.(2015)では、雑音が気になるということは、それだけ多くの情報を同時に処理しようとしているためであり、それは創造力がある人ほど当てはまるのではないかと考え、以下のような実験をしました。

まず、事前に芸術・科学など創造性が求められる分野での実績を調査した後で、ある計画における問題解決案を考案するというテストを実施されます。このように明確な正解のないような課題についての思考のことを拡散的思考と呼びますが、これが創造力と関係しているとも言われています。
実験参加者がこの課題をしている間、ビープ音が流され、その音をどれぐらいフィルタリングしたかのチェックも行われました。

実験の結果、拡散的思考の得点が高い人ほど、学力の試験も比較的優れており、ビープ音に対するフィルタリングもよく行われているという結果になりました。
一方で、創造性に関わる分野で実績を残していた人に特徴的にフィルタリングの"漏れ"が見られたそうです。
拡散的思考は創造性と密接に関わっているものではありますが、創造的な分野で実績を残す人は、単に考えやアイデアが思いつくだけでは不十分なのかもしれませんね。
それよりもむしろ周囲の情報に対して常に鋭敏な感覚を持っていることのほうが重要なのかもしれません。

感覚が鋭敏だったとして知られているのが、進化論のダーウィンや作家のカフカやプルーストなどがいます。

公生も感覚が鋭いからこそ、逆に繊細にもなっているのかもしれません。だからといって、完全に耳をふさいでしまうのではなく、雑音の中にも重要な情報が紛れ込んでいるかもしれないので、時には耳を傾けてみるのもいいのかもしれません。

[引用]
Zabelina, D. L., O'Leary, D., Pornpattananangkul, N., Nusslock, R., & Beeman, M.(2015). Creativity and sensory gating indexed by the P50: Selective versus leaky sensory gating in divergent thinkers and creative achievers. Neuropsychologia, 69, 77-84.
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当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

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