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「少女」感想。


(公式HPより引用)

[story]
由紀(本田翼)と敦子(山本美月)は親友だったが、由紀はクラスでいじめられている敦子を助けることができずにいた。由紀は敦子をモデルにした小説を書いていたが、それがある時盗まれてしまう。ほどなくして盗んだのが国語の教師、小倉(児嶋一哉)ということがわかり、由紀はある復讐をする・・・。その頃、同じクラスに紫織(佐藤玲)という子が転校してくる。彼女は由紀と敦子に、「人が死ぬとこ、見たことある?」と聞いてくるのだが・・・。

「告白」の湊かなえの同名小説の映画化です。
監督は、「しあわせのパン」「ぶどうのなみだ」の三島有紀子。

湊かなえは、先述の「告白」で鮮烈なデビューをすると、その後もベストセラー連発の押しも押されもせぬ人気作家で、自分もほとんど全ての作品を読んでいます。
そうなると当然映画化も多くなってくるわけで、「告白」、「北のカナリアたち」(原作は「往復書簡」収録の一遍「二十年後の宿題」、)「白ゆき姫殺人事件」と来て、本作となります。

ちなみに「少女」は「告白」につづいて刊行されたので、普段は映画見てから原作チェックが多いのですが、すでに読んでしまってからの鑑賞となりました。

というわけで、映画、原作両方見た側からの感想としては、映画ならではの良いところもある一方で、原作との改変がうまくいっていないところもあるといった印象でした。

良いところで言えば、主人公の2人が通う学校はミッション系の高校でその独特の雰囲気や厳しさが映画全体の雰囲気につながっているというところですね。
それだからこそ、「人の死ぬ瞬間」に魅せられるという人間のタブーに触れようとすることへのギャップも強くなっています。

また、彼女たちがメイポールダンスをするシーンもあり、これも規律正しく動くことを要求されているという点で彼女たちの置かれている環境を巧みに表すことにつながっています。

主演の2人を本田翼と山本美月が演じているのですが、特に本田翼はとかく演技が下手みたいなことを言われていますが、本作においてはそれほど気になりませんでした。
あまり感情を表に表さない由紀というキャラクターなのですが、それがやがて死というものに興味を持つようになったり、最後の方で敦子と一緒にいる時のとびきりの笑顔がより引き立たせたりしています。

その一方で映画化されるにあたって改変された部分として気になった点もいくつかありました。

1. 冒頭、ラストの演出

湊かなえの「告白」は、全編が登場人物の告白という構成になっていました。さすがに映画ではそのままというのはムリですが、それでも冒頭の10数分を、主演の森口先生役の松たか子が生徒を前にして告白し続けるという原作の印象を活かした作りになっています。

本作では、冒頭とラストが遺書というこれまたインパクトのある構成になっているのですが、映画ではこれを舞台劇仕立てのように描いていて、飛び降りるシーンもあるのですが、かえって現実感が損なわれてしまったような印象でした。

2. 敦子はいじめられっ子?

敦子は映画ではいじめられっ子になっていますが、原作ではそんなことはありませんでした。ただ、中学時代やっていた剣道で肝心の試合で自分のせいで負けてしまった時に、表面上は優しくしてくれたチームメイトが学校の裏サイトに悪口を書いていたことで疑心暗鬼となってしまうという設定でした。この演出も試合中の回想で、敦子が心の声が聞こえてくるみたいな展開になっていて、そのシーンもちょっとホラーっぽい感じですが、結局勝手にに疑っているだけという印象にもなってしまいます。
これには、原作が書かれてから映画化までに時間がかかったことに理由があるかもしれません。原作が発表された2010年ごろは確かに学校の裏サイトがニュースになったり、それが原因で自殺したりといったこともあったので、内容的にはタイムリーだったのかもしれませんが、最近はそういったニュースを聞かないので、そのための改変かもしれませんね。

3. 死に魅せられた2人

原作では、転校生の紫織が親友の死ぬところを目撃したということを聞き、由紀、敦子とも死というものに魅せられ、身近で死を目撃するために由紀は小児科病棟のボランティア、敦子は高齢者福祉施設でのボランティアを始めます。この2人の対称性がここでもうまく描かれていたのですが、映画では、敦子はそれほど死に魅せられたという感じにはなっていません。
死を見つめるということは、同時に生を見つめることでもある、といった部分が少し弱くなってしまった印象です。


というわけで原作読んでいた自分からはこのズレは気になるものでしたが、原作を知らない人にとってはたいした問題とならないかもしれません。
物語のテーマでもある因果応報が存分に感じられる作品で、見終わったとも数々の伏線がつながってスカッとする1作でもあります。

三島監督は前に見た上記の2作がいずれも牧歌的な雰囲気の強い作品だっただけに、なかなかの衝撃でした。
ぜひ原作の前に映画の方を先にご鑑賞ください!
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すぷーとにく0107

Author:すぷーとにく0107
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中の人は、北海道は札幌市在住です。
映画館で年間200本は映画を観ます。
当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

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