FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「少女」から考える死への興味・関心



「少女」では2人の少女、由紀と敦子が死に魅せられ、それぞれの方法で人が死ぬところを見ようとする、というのが原作の設定でした。
映画では、由紀は原作同様ですが、敦子はそこまで死への興味を持っているようには描かれていませんが、学校の屋上から飛び降りようとする妄想が映し出されるシーンがあります。

彼女たちのように死そのものへの関心については、心理学の分野でもよく研究されていますが、死や生についてその目的や意味を考えたりすることで形成される意識や信念のことを、死生観と呼びます。

死生観について、Gesser, Wong, & Reker(1987-1988)では、死への恐怖は青年期から高まり、中年期でピークとなり、老年期では逆に低下すると報告しています。
本作の主人公たちは青年期の序盤なので、死への恐怖が芽生える時期とも言えます。
また、赤澤・藤田(2007)では、親戚や友人、飼っていたペットなどとの死別経験がある人は、ない人と比べて死への関心が高いということも示されています。映画では転校してきた紫織が自分の親友の死体を見たというところから興味がスタートしているので、友人の話でも間接的に影響があるのかもしれません。

中学、高校生の時期は身近に死を感じる出来事が少ない時期であるとも言われているため、より恐怖を高く感じやすいということも言われていますが、この時期の死因で圧倒的に多いのが自殺なんですよね。これはもちろん若いうちは病死が少ないので結果的にそうなるのですが、なんだか切ない皮肉ですよね。

さて、マイナスなイメージが多い死ですが、それをポジティブな力につなげている研究を1つ紹介します。

Zestcott, Lifshin, Helm, & Greenberg(2016)では、死への恐怖への対処が作業意欲や集中力などを高めることを実験で示しています。

1つ目の実験では、バスケットボールの選手を対象に、それぞれの選手と1 on 1を2ゲームをすることとし、1ゲーム終了後にある半数のグループには、ゲームの感想を書いてもらい、もう半数のグループには、自らの死についてどう考えているかを書いてもらいました。
その後2ゲーム目を行うと、ゲームの感想を書いたグループはスコアに大きな変化がなかったのに対し、死についての考えを書いたグループは、平均して40%以上もスコアが向上しました。

2つ目の実験では、1分間にフリースローがどれぐらい入るかに挑戦してもらうのですが、一方のグループは普通の格好の研究者がルールを説明したのに対し、もう一方のグループは、「death」という単語を組み合わせて書かれたドクロマークのTシャツを着た研究者(画像向かって右側の人が着ているのがそれです)が説明をしました。
その後にフリースローの成績を比べたところ、ドクロマークのTシャツを着た人に説明されたグループが30%近く高い得点をマークしていました。

このようになった原因として、人間は死の恐怖を意識すると自尊心や自分の存在意義を示そうという意識が高まり、その結果として、スポーツをしているときは良い結果を出そうという方向に働くと示されています。
死ぬ気で頑張る、っていうのも案外効果のあるものなのかもしれませんね。

映画ではやや歪んだ形で死への興味・関心が描かれていますが、興味を持つ事自体は決して悪いことではないのです。
自殺や殺人といった間違った方向に振れるのではなく、こうしたポジティブな影響力へと変えていきたいですね。

[引用]
赤澤正人・藤田綾子(2007).青年期の死生観に関する
研究. 日本教育心理学会総会発表論文集, 49, 338.

Gesser, G., Wong, P. T. P., & Reker, G. T.(1987-1988). Death attitudes across the life-span : The development and validation of the Death Attitude Profile(DAP). Omega : Journal of Death & Dying, 18, 113-128.

Zestcott, C. A., Lifshin, U., Helm, P., & Greenberg, J.(2016). He Dies, He Scores: Evidence that Reminders of Death Motivate Improved Performance in Basketball. Journal of Sport and Exercise Psychology, [Epub ahead of print], 1-40.
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

すぷーとにく0107

Author:すぷーとにく0107
FC2ブログへようこそ!
中の人は、北海道は札幌市在住です。
映画館で年間200本は映画を観ます。
当ブログでは、映画のレビューをしつつ、勉強している心理学ネタでも書いていけたらいいなと思っています。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。